小湊鐵道・里見への貨車回送

2020年5月9日　小湊鐵道線

　五井駅構内で留置されていた、トム1型2両、ワフ1型1両が里見駅の引き上げ線へ移動しました。五井から里見までは「里山トロッコ」編成による牽引で、構内の入換は先月にいすみ鉄道より譲渡されたTMC200Cモーターカーが使用されました。

　五井の構内でこのまま朽ちていくのか･･･と思っていたらまさかの移動、しかも日中。（おそらく鉄道マニアではない）地元の方々も集結しての大盛況になっていました。

2020年5月9日　小湊鐵道線

　入換が終わり引き上げ線に佇む貨車、本線を走行するモーターカー、牽引してきたトロッコ編成。情報量が多すぎる。。。この写真は里見駅北側踏切から撮影したものですが、トロッコ編成の右側にはホームを挟んで上り本線の線路があります。

　かつて、ここからさらに右へ分岐する里見砂利山線という1kmほどの砂利採取線が伸びていました。上り列車に貨車を連結して砂利を輸送していたようです。1963年にこの路線が廃止されていますが、現在でもトラック輸送により砂利の採取が行われているそうです。

　今回、回送されてきた貨車は創業当初から使用されているものですから、おそらくトム1型は里見砂利山線の砂利輸送に使用されていたのでしょうね。前回、本線を走った記録が不明ですが、10年以上走っていないようです。この数十年の時を越えて、再び本線を走って里見砂利山線が分岐していた里見駅へ戻ってきた...。もうこの事実だけでエモすぎません？

2020年5月9日　小湊鐵道線

　入換が終了したモーターカーはトロッコ編成と一緒に五井へ回送するとのことで、上総中野方への連結作業に鉄道マニアが群がる傍ら、引き上げ線では旧貨物ホームから枕木の卸し作業がひっそりと行われていました。

　回送されてきただけでなく、貨車に荷物を積んで輸送していた点も素敵。きちんと本来の使用目的で使われていて、もう1日のエモ摂取許容量ギリギリでした。

　貨車を置いていく、ということはもうここから動かないのでしょうか。10年以上も五井の構内で遊ばせておきながら今更移動するとは、何かが起こる前触れなのかもしれませんね。